中国古典小説選1 穆天子伝・漢武故事・神異経・山海経 他 【漢・魏】
ぼくてんしでん かんぶこじ しんいきょう せんがいきょう
中国の漢・魏時代の小説を収録
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書名カナチュウゴクコテンショウセツセン1
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著者
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シリーズ
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定価7,040円(6,400+税)
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ISBN9784625664052
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Cコード0398
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出版社
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出版年月日2007/07/25
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判型・ページ数A5・420ページ
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ジャンル
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中国の漢・魏時代の小説を収録。神話・伝説の要素を含む中国最古の旅行記「穆天子伝」をはじめ、漢の武帝の出生から崩御までを描いた「漢武故事」など、神話の要素を多く含むものを網羅した。粗筋に原文・書き下し、現代語訳の構成で、面白く読める。
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『漢書・芸文志』(後漢班固撰)には「子部・小説家者流」として十五種類の書物の名が挙げられているが、そのすべてが現在では失われていて伝えられていない。しかし、それぞれの書名、および撰者の班固自身が付した簡単な注、また後人による注などから推測すると、漢代に存在していたこの小説家十五種の書物は、 (-)歴史や伝説に伝えられる帝王や賢者に関する話、(二)歴史上の事件や事実の記録、(三)方士の術や養生(不老長寿)術に関する話、の三種に大別できるようである。いずれにしても古代中国では、これらの 書に伝えられるような話は文字通り「小さな説」であって、語られる内容は根拠薄弱であったり、有名人が作ったかのように見せかけた偽託の書であったりで、聖賢の教えを説く書や、思想家の 書・史伝の類と比べて、文化的・学術的価値のないものと判断されていたのである。この十五種の書の他に、今日漢代の小説と言われる作品がいくつか伝えられているが、それらの多くは魏・晋の時代の擬作と判断される。
本巻には、偽託の作品も含めて、漢・魏の小説(一部晋の作品も含む)とされるものを収める。この時代の小説は、不老長寿・神仙への憧れをテーマとするもの、及び、中国周辺の未知の異域の文物に対する強い関心と想像力から生まれたものが多い。
燕丹子=戦国時代、秦に人質として送られたが、隙を見て燕に逃げ帰った燕国王の太子丹の物語。
漢武故事=漢の武帝の出生から崩御までの一生の物語。神仙に関する事、怪異な現象や事件の事が多く語られる。
漢武内伝=「漢武故事」と同じく、漢の武帝の一生に関する物語。特に、晩年神仙思想に傾いた武帝が、天上から女神西王母を招くくだりの叙述が詳しい。
穆天子伝(著者・成立年代とも不明)=周の穆王が黄河の水源から西方の砂漠、崑崙山地方に旅行し、天帝の娘西王母と会った事などを綴る物語。神話・伝説の要素を含む中国最古の旅行記。
西京雑記(晋・葛洪(二八四~三六三)の編)=前漢の都、長安の天子・后妃を始めとする有名人の逸話。および、宮室・御苑・制度・風俗などを、覚え書風に記録した書。
山海経(著者・成立年代ともに不明)=神話の要素を多く含む中国古代の地理書。禹の治水事業を助けた伯益が 禹とともに作った書という説もあるが、信じ難い。古代中国における自然観を知る上での貴重な文献であり、神話・伝説研究のためにも不可欠な書である。
列仙伝 (抄) / 劉向 [著]
山海経 (抄)
穆天子伝
燕丹子
西京雑記 (抄)
神異経 (抄)
海内十洲記 (抄)
洞冥記 (抄)
趙飛燕外伝
漢武故事 (抄)
竹田 晃 編著
梶村 永 著
高芝 麻子 著
山崎 藍 著
黒田 真美子 編